安倍晋三元首相が搬送された奈良県立医科大学付属病院の記者会見の中で、
治療では「100単位以上の輸血」が実施されたという話がありましたが
100単位とは一体どのくらいの輸血量なのでしょうか?
記者も質問していましたが、気になった方も多いと思います。
医療に詳しくない人でもわかるように解説していきます。
安倍元総理の手術の輸血量100単位

安倍元総理は病院に到着した時には心肺停止状態で、輸血と止血のための緊急手術が行われました。
しかし、血管の損傷が激しく出血は止まらず、事件から約5時間半後の午後5時3分に死亡が確認された。
また、手術には、「100単位以上」の大量の輸血をしたことも明かされました。
これについて、記者も何mlなのか尋ねていましたが、一般人からしたらそれがどのくらいなのかわかりませんよね。
ネットの反応賛否両論
この100単位についてネットでもさまざまな意見があがっていました。
輸血100単位を必要とする外傷のナースだったことがあるけど、本当に壮絶な現場
— Hana (@matcha94942438) July 8, 2022
私は、その患者さんのことを忘れることはない
心のトラウマになってる
関わった医療者に、どうか休養と心のサポートを🙏
輸血100単位は流石に震えるわ。
— なつ (@natsu_atsuine) July 8, 2022
どっから用意したんよ。奈良県中からかき集めたんやろな。奈良医大やっぱりすごいわ。
福島先生は救急医療のトップオブトップ。
医療の凄さと無力さを感じるニュース中々に辛いな
助かる見込みの無い心損傷に輸血100単位はナンセンスだ、VIPだからだろう、というツイを見た。これぞ「後からなら何とでも言える」の極致。
— Taku Kazamaki (@kazacky) July 8, 2022
あなたが知らないだけで、100単位を超える輸血を使いながら心大血管損傷と必死に戦う現場は確実に存在している。そして患者は無名の市民達だ。
やはり、100単位というのは、通常では考えられないような量のようですから、これについてVIP待遇だと指摘する声もありました。(悲しいですが)
しかし、医療に従事していた人の中には、そうした100単位の輸血をする大手術も実際あるわけで今回の手術がそれほど壮絶だったことをこの数字が物語っているとしています。
私は、医療について無知だったので100単位がどのくらいなのかわからなかったのですが、わかる人は、この数字だけでどれほどの大手術だったか一目でわかるということなんですね。
また、今回の報道を受けこのような意見も。
選挙もそうですが……みなさん献血………献血に行ってください………輸血100単位は単純計算でのべ50人分、20リットルの血液です……パッと聞き少なそうに聞こえるかもしれませんが、普段仕事で輸血に関わる私が聞いたことない量です 明日人を救うかもしれないのは人の血なのです……
— 夏 (@summernuts72) July 8, 2022
やはり、100単位の輸血というのは相当の量のようです。
血が足りなくなることを危惧して、輸血を呼びかける意見もありました。
100単位の輸血となると、およそ50人分の血液が必要なようです。
心に留めておこうと思います。
輸血量100単位とはどのくらいの量?
それでは、具体的に輸血量100単位とは何ミリリットルのことなのかみていきましょう。
輸血の種類
輸血は、いくつか種類があり以下のように分類されます。
赤血球濃厚液
血小板濃厚液
新線凍結血漿
アルブミン製剤
免疫グロブリン製剤
輸血の単位
200 mlの献血から作られる量が1単位です。
つまり、単純計算だと、
1単位=200ミリリットとなりそうですが、正確には違います。
赤血球液は、
血液200ml中から赤血球を分離し、赤血球保存用添加液(MAP)46mlを加えて、
1単位(140ml)となります。
新鮮凍結血漿は、
血液200mlから分離→1単位(120ml) です。
濃厚血小板は、
血液200mlまたは400mlから分離した血小板を血漿に浮遊。
1単位(約20ml)
2単位(約40ml)
5単位(約100ml)
10単位(約200ml)
となります。
つまり、200mlの献血から成分を取り出して輸血用血液を作るので、量は200mlより少なくなるわけですね。
輸血量100単位は何リットル?
以上のことから、輸血量100単位を計算すると(赤血球液で計算:1単位140ml)
140ml✖️100(単位)=14,000ml(14L)
つまり、100単位の輸血量とは、14Lの輸血ということになります。
2Lのペットボトルで考えたら7本分ということになります。
これは、かなりの量だと容易に想像がつきますね。
100単位の輸血の値段はいくら?
参考までに、100単位の輸血がどのくらい凄いのか金額も計算してみました。
日本赤十字社によると赤血球製剤の薬価が、
1単位:8,597〜16,379円(2022年4月現在)
100単位使用すると、
859,700〜1,637,900円(単純計算で)
ということになります。
輸血だけでも100万円以上かかっているということですね。
人の命はお金には変えられませんから金額がどうというわけではないですが、それくらい大量の輸血が必要な状態だったということになりますね。
献血の大切さを改めて痛感しました。
コメント