エリザベス女王が2022年9月8日96歳で急逝されました。
女王は、最期をスコットランドのバルモラル城で迎えられました。
この場所は、女王にとっては特別な場所で、自分らしく過ごせるお気に入りの場所だったようです。
自然に囲まれたバルモラル城についてや、エリザベス女王の滞在中の面白いエピソードについてお伝えします。
エリザベス女王バルモラルで急逝される

英王室はツイッターでエリザベス女王が亡くなったことを発表しました。
The Queen died peacefully at Balmoral this afternoon.
— The Royal Family (@RoyalFamily) September 8, 2022
The King and The Queen Consort will remain at Balmoral this evening and will return to London tomorrow. pic.twitter.com/VfxpXro22W
「女王は本日(8日)の午後、バルモラルで安らかに息を引き取られました。(新たな)国王と王妃は今晩バルモラルに滞在し、明日ロンドンに戻ります」
亡くなる直前には「女王の健康状態に懸念がある」として、チャールズ皇太子夫妻と孫のウィリアム王子らが、女王が滞在していたバルモラル城に向かっていると報じられていました。
エリザベス女王が最期を迎える場所に選んだバルモラル城は女王にとってどんな場所だったのでしょうか。
バルモラル城とは
スコットランドの私邸

バルモラル城(Balmoral Castle)は、スコットランド・アバディーンシャーにある城です。
1848年にヴィクトリア女王が手に入れて以来、英国王室のスコットランドにおける私邸になっていて、イギリス王室の夏の休暇地として使用されています。
周囲を森や荘園に囲まれたエステート・ハウス(Estate House)といわれる建物です。
この一帯はスコットランドでロイヤル・ディーサイド(Royal Deeside)として知られています。
バルモラル・エステート全体の面積は65,000エーカー(260平方キロメートル)。
常勤職員が50人、非常勤職員が時期によって50人から100人いるようです。
場所
バルモラル城はスコットランド北部の自然豊かな場所にあります。
近くにはディー川が流れる風光明媚な場所です。


バラスターとブレーマーという村の間にあり、グランピアン山脈、森林や美しい田園地帯に囲まれています。
夏季は過ごしやすく、冬は一般的に寒い地域だそうです。
そのため夏の避暑地として王室に愛されていました。
女王のお気に入りの場所

夏の避暑地
エリザベス女王と家族は毎年、夏の休暇をこの場所で過ごされました。
通常は、プライベートを過ごす場所ではありますが、2022年夏のバルモラル滞在中には、保守党党首に就任したリズ・トラスの首相任命式がこの場所で行われました。
通常であればバッキンガム宮殿で行われるのですが、女王が高齢のためロンドンへの移動が困難だったことからこの場所で執り行われたようです。
バルモラルで首相任命式が行われたのは1885年以来のことでした。
ロイヤルファミリーがリラックスできる場所

この城は、ロイヤルファミリーにプライバシーを与えてくれる場所です。
広大な敷地内で散歩や乗馬、釣りや狩猟、ピクニックを楽しむんだとか。
王族としての普段の公務を忘れ、一つの家族として人目を気にせず過ごせる場所なのですね。
城に滞在中、エリザベス女王の公務は舞踏室で開催するダンスパーティのギリーボールだけで、他の公務は行わないといいます。

こちらの写真は、1960年バルモラル城でピクニックを楽しむ女王一家です。
毎年夏の休暇を過ごす、女王のお気に入りの場所だったのです。
孫のユージェニー女王は、
「祖母はバルモラル城にいる時が一番幸せなようです。彼女はハイランドを心から愛しているのですよ」
と話しいます。
女王としての立場を忘れリラックスできる家族の思い出が詰まった大切な場所ということがよくわかりますね。
バルモラル城滞在エピソード
女王が皿洗い!?

城にいるときのエリザベス女王はなんと食器洗いもするのだそうです!
城に滞在されたことのあるブレア元首相が目撃したようです。
「私が冗談を言っているのだと思うでしょう。でも冗談ではありません。女王たちが手袋をはめ、キッチンのシンクに手を突っ込んでいるのです。女王は私に食事は終わったのかと尋ねると、お皿を重ねてシンクに運んで行きました」
本当に一人の妻の立場に戻っているのですね。
素敵なお話です。
コウモリを捕まえて遊ぶ!?

さらにもっと破天荒な一面も。
女王は、
「天井のに潜んでいるコウモリを捕まえようと、ときどき虫取り網を振り回していた」
というエピソードもあります。
スコットランドに生息するコウモリは9種いて、女王が追いかけていたコウモリは、
「ソプラノアブラコウモリ」
と思われるとのことです。
ソプラノアブラコウモリは、スコットランドに最も多く生息するコウモリで、民家に住み着いている可能性が非常に高いようですから、バルモラル城にも住み着いていたのですね。
まるで虫取りを楽しむ子どものようです。
そんなお茶目な一面もあったのですね。
一般公開
そんなエリザベス女王が過ごされたバルモラル城は一般公開されています。
ロイヤルファミリーが滞在しているときには閉鎖されますが、毎年4月から7月までは、敷地、庭園、城内のボールルームが一般公開されます。
冬の間はガイドつきのツアーも開催されるようです。
ツアーは10月の終わりから11月、12月の初めまでの特定の日程に行われ、所用時間は90分です。
場内の展示室、狩猟小屋、製氷室、庭園を見学することができるようですよ。
ご興味のある方は、エリザベス女王のお気に入りの場所だったバルモラル城を訪れてみるもいいかもしれませんね!