11月20日夕方、名古屋市守山区で、突進してきたイノシシに警察官が拳銃を構え
「撃つぞ」
と威嚇したニュースが話題になっています。
警察官が銃を使用するとその使用が適正かニュースになりますが、今回は、言葉の通じないイノシシ相手に「撃つぞ」といったことがコミカルだと話題に。
警察官はなぜ予告したのか、拳銃使用の条件についてまとめました。
警察官イノシシに拳銃使用

2022年11月20日夕方、名古屋市守山区で、イノシシ2頭の目撃情報が相次ぎ警察官が出動しました。
そして、河川敷で体長およそ1メートルのイノシシ1頭が近くにいた人に突進をしたため警察官が間に入り、拳銃を構え
「撃つぞ」
と大声で警告。
すると、イノシシは逃げていったということです。
結局警察官は、 拳銃を発砲することなく、けが人もいなかったようです。
今回の拳銃使用について、守山警察署の迫村淳一副署長は
「現時点で適正な拳銃使用と考えている」
とコメントしています。
なぜ「撃つぞ」と言った?

このニュースで話題になっているのは、
警察官が言葉の通じないイノシシ相手に「撃つぞ」と予告をしていることがシュールだということです。
猪に撃つぞって言っても猪意味分かっているとは思えないのですが・・。 今回このお巡りさんも被害合わなかったのは良かったかもしれませんが、そんな悠長に猪に『撃つぞ』なんて警告している間に突っ込んできて襲われる可能性ありましたよね。
Yahoo!ニュースコメント
言葉を理解して逃げたわけではないでしょうが、警察官の大声に驚いてイノシシは立ち去りました。
夜には、再び街中で目撃されているようですから迷い込んだままのようですね。


大きなイノシシですから向かってきたら怖いですよね。
それではなぜ警察官は言葉の通じないイノシシに向かって「撃つぞ」と予告したのでしょうか。
5つの理由をご紹介します。
理由1予告することが使用条件だから
まず拳銃を発砲するときは、相手に警告をすることが義務付けられています。
(拳銃を撃つ場合の予告)
第六条 拳銃を撃とうとするときは、拳銃を撃つことを相手に予告するものとする。ただし、事態が急迫であつて予告するいとまのないとき又は予告することにより相手の違法行為等を誘発するおそれがあると認めるときは、この限りでない。
(警察官等拳銃使用及び取扱い規範)
段階としては、
銃の取り出し、構える、予告、威嚇射撃、相手に向かって撃つ
となります。
ただ、今回の場合相手は猪ということで、予告というよりは本来は威嚇射撃に分類されるのではないかと思います。
(威嚇射撃等をすることができる場合)
第七条
・・・中略・・・
4 第一項に定めるもののほか、警察官は、法第七条本文に規定する場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、狂犬等の動物その他の物に向けて拳銃を撃つことができる。
だとすると、撃つぞの予告は本来必要なかったのだと思います。
法律上、動物は物扱いですから銃を撃つ相手としての予告は必要ないですよね。
理由2周囲の人への注意喚起
とはいえ、付近には住民もいたわけですから、もし人に流れ弾が当たっては大変です。
この予告には、銃を向ける相手だけでなく周囲の人への注意喚起の意味もあります。
これから銃を発砲するので離れてくださいという警告です。
そのため、今回相手がイノシシではありますが、「撃つぞ」はイノシシというより周りの人に伝える意味合いの方が強かったのでしょうね。
理由3マニュアルに忠実
先ほどもお伝えした通り、警察官の銃の使用には段階があり、撃つ前には予告をするものと警察学校でも習います。
今回の警察官がどのくらいのキャリアがあるのかわかりませんが、見たところ若いように思えます。
交番勤務のお巡りさんは若手が多いですからね。
警察官といえども実際に銃を発砲する経験なんてほとんどの人がありません。
もしかしたらこの警察官も初めて実際の現場で銃を使用したのかもしれません。
だとするとやはり基本に忠実に撃つ前の「予告」をしたのではないでしょうか。
しないよりはしたほうがいいですし、あの状況で冷静にマニュアルに忠実になれたのは素晴らしいことだと思います。
理由4とにかく必死だった
住民に突進しようとしたイノシシの間に咄嗟に盾になったわけですから、とにかくなんとかしなければという正義感で動いたのだと思います。
もちろん警察官の所持している拳銃ではイノシシ相手にどこまでできるか疑問ですが、それでも市民を守ろうという気持ちで動いたのでしょう。
それが言葉にも表れ、結果的にイノシシを大声で追い払うことができたわけです。
「撃つぞ」の一言に警察官としてのプライドがこもっていたのでしょうね。
理由5発砲したくなかった
警察官は拳銃を使用した場合、所属長に報告しなければなりません。
使った日時や場所、使用の理由や状況など事細かに。
そして、拳銃は腰のケースから取り出した時点で使用になってしまいます。
拳銃という危険な武器を持つことが許された警察官ですから、その使用は常に適正でなければなりません。
そのために厳しい規定があるのですが、こうして警察官が拳銃を使用するたびにニュースになり、その使用は適切だったのかと話題になります。
そのため、できるだけ拳銃を使用したくないというのが警察官の本音です。
取り出して構えただけならまだしも、発砲まではしたくない。
もちろん凶悪犯相手にそんなことは言ってられませんが、ぶっちゃけ相当の技術がないと、年に一回訓練するかしないかの警察官が、相手の急所を外してかつ制圧できる箇所に命中させることはまず無理です。
発砲によって相手を死なせるようなことがあってはと、警察官としても恐ろしいのです。
今回は、イノシシということで致命傷になる怪我を負わせることはないでしょうが、発砲せずに済んでラッキーでした。
当たっても止めることはできなかったでしょうからね。
警察官の銃使用は適正だった
ということで、今回警察官が銃を使用したことは適正だったと言えます。
ただ、発砲して猪がそれに興奮し市民を襲っていたらと考えるとやはり疑問です。
人相手ではないからこそ警察官もそこまでの知識はなかったと思いますが、イノシシ相手に拳銃が有効なのかはもう一度考えた方がいいかもしれませんね。
ネットでも、警察官の勇敢な姿を褒め称える声が多いですが、今回はラッキーでしかなかった、猪への対策は考えるべきではとの声もあります。
イノシシに向かって「撃つぞ」は正直異様な感じがするが、威嚇という意味なら言葉は何でもいいから大声で叫ぶのが有効ではある。
イノシシに言葉や拳銃の威力が分かるんですね。対応した警察官は必死だったと思いますが、あまりにマニュアルどおりの対応に苦笑するしかありません。副署長も立場上「現時点で適正な拳銃使用と考えている」とコメントしていますが、内心ではどう思ってるんでしょうかね。 今回は事故がなかったからいいようなものの、流れ弾や興奮したイノシシの暴走があったらどうする気だったんでしょうね。
まずは頼もしい警官で素晴らしいと思う。 「撃つぞ」の言葉は、周囲の人が気付かずに近寄らない抑止にもなる。拳銃は規則で…とか気にして結果として住民が襲われるのを防げなかったら(いくら警官でも野生動物に素手では勝つ見込みは低い)、それこそ大変。
猪に言葉が理解できない等仰ってる方もいますが、市民を背に逃げるわけにいかない立場ゆえ大声で威嚇するというのは正しい行為だったと思います。 結果、発砲もせず怪我人も出さずに追い払った警察官は立派に職務を果たしたと思います。
この時、猪はまだ突っ込んで来ると言うか、人に危害を加える行動に出ていない。「撃つぞ」の意味が分かる分からんは別として、声に驚いて結果的に逃げた事で、拳銃を使う必要性を回避する事が出来たのだ
経験上猪は大きな音に敏感で臆病な動物です。 大声を出せば大抵その場から立ち去るので、大声で脅かすというのは一定の効果があるかと思われます。また、発砲するにしても、「撃つぞ」と大声を出す事で周囲にいる人に対して自身がこれから猪に対して何をしようとしているかを知らせるここになり安全性が増します。 この場合、猪に言葉が通じるかどうかよりも、大声で脅かし、かつ万一の場合の発砲を前提とした対処としてベターな選択である気がします。
論点違うのは承知ですが、拳銃でイノシシゃクマを撃退するのは殆ど無理ですよ。 イノシシゃクマに打撃を与えることが出来るのはライフル銃です。しかも、骨とかに当たった瞬間に炸裂するもの 拳銃は音も小さいし弾丸も小さいし炸裂しない 致命傷になる部分に当たらない限り無理です。逆に反撃して来る可能性が高い。手負いの獣はより危険化する可能性もあっただろうと思います。