京都府宇治市の精肉店で購入した「レアステーキ(ユッケ)」を食べた女性が、腸管出血性大腸菌O157によって亡くなった事件がニュースになっています。
柔らかくて肉の口溶けを楽しめるユッケですがそもそも生肉って食べても大丈夫なのでしょうか。
私も大好きなのですが、今回の事件で改めて生肉の危険性や基準について気になったので調べてみることにしました!
食中毒の原因

食中毒の原因となる代表的な細菌は、
- カンピロバクター
- 腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
- サルモネラ属菌
などがあります。
牛や豚など家畜の腸にいる細菌です。
症状としては、
下痢、腹痛、発熱、おう吐
などです。
解体する時に、細菌が食肉部分につかないように腸と接触しないよう処理しなければなりません。
この加工段階で肉の表面にこれらの細菌が付着してしまうと食中毒の原因となるわけですね。
そのため厚生労働省は、生食として認められる肉の規格・適切な加工法・使用する設備の基準など厳しい規格基準を定めています。
ユッケとはどんな料理?

そもそもユッケとはどんな料理なのか。
焼肉店で食べることが多いいんでしょうですよね。
元々は韓国の生肉料理のことです。
韓国語で「肉」はユク(육)、「膾」はフェ(회)で、これを合わせて「ユクェ」→「ユッケ」となります。
「膾」とは、獣や魚の生肉を細かく刻んだもの、日本で言う刺身のことですね。
つまり、「肉の刺身」となります。
改めて名前を聞くと、肉を刺身で食べるなんて大丈夫?と心配になります。
生肉は食べてもいいの?
肉の刺身と聞くと食べて大丈夫なのか気になりますよね。
生で食べることは加熱肉と比べれば当然リスクも高まりますが、きちんと食べていい部分、規格基準を守れば食中毒のリスクは下げることができます。
それでもやはりリスクゼロにはできませんから、特に、子どもや高齢者などが抵抗力が弱く重症化しやすい人は生食用の食肉であっても、食べない方がいいでしょう。
生で食べられるお肉や部位はどこ?
生食用の牛肉や馬肉には規格基準が定められていて「生食用」として食べることができるお肉もあります。
一方で「牛レバー」や「豚肉(内臓含む)」は生食が禁止されています。
ただしお肉の種類や部位によって、適用される法律や規格・基準は異なります。
牛肉(内臓を除く) | 「牛刺し」「牛ユッケ」などは生食用として食品衛生法等に基づく規格や基準に適合したものに限り販売等が認めらる |
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牛レバー | 生食禁止 |
豚肉(内臓を含む) | 「豚レバー」などの内臓をふくめて生食禁止 |
鶏肉 | 鶏肉には生食用の衛生基準がないため生食は危険 |
馬肉 | 生食用の衛生基準に適合したものに限り、販売等が認めらる |
基準や調理方法など
厳しい規格基準をクリアし、許可を得た生食用加工認定工場でしか生肉は提供できません。
日本で最初に認定を受けたのが米沢牛や山形牛の専門卸のさがえ精肉です。

日本初の生食加工認定を受けたさがえ精肉さんによると次のような厳しい基準が設けられているとのことです。
●加工方法
引用:さがえ精肉
枝肉から衛生的に切り出された肉塊を、速やかに気密性のある容器包装に入れ、密封し、肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃で2分間以上加熱する方法又はこれと同等以上の方法で加熱殺菌後、速やかに4℃以下に冷却すること。
また、加熱殺菌に係る温度及び時間の記録を1年間保管すること。
●調理方法
引用:さがえ精肉
上記の加工がなされたものを調理・提供すること。
また、調理を行った生食用食肉は、速やかに提供すること。
●保存方法
引用:さがえ精肉
生食用食肉は、清潔で衛生的な容器包装に入れ、4℃以下で保存すること。ただし、生食用食肉を凍結させたものにあっては、-15℃以下で保存すること。
生肉は加熱殺菌処理しなければなりません。
その処理が今回の京都の精肉店の事件では甘かったようです。
そもそも認可がなかったとか。
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私たち消費者は加工・販売をする精肉店を信用するしかないのかもしれませんが、避けられるなら生肉は控えたほうがいいのかもしれません。
それでもやはり美味しいので食べたいですよね。
気になる方はお店に問い合わせたり、届け出の有無を確認したりしてもいいかもしれませんね。