旅館業法改正案でマスク着用を正当な理由なく拒んだ場合、宿泊を拒否できるようになるようです。
これまでもマスクの着用を巡ってトラブルになるケースが多々ありましたが、今回はどうなるのでしょうか。
また、正当な理由とは具体的に何を指すのか。
旅館業法改正案について詳しく解説します。
旅館業法改正案「宿泊を断れる」
政府が秋の臨時国会への提出を目指す「旅館業法改正案」の内容はこちら。
新型コロナウイルスなど感染症の流行時に、ホテルや旅館を経営する事業者がマスク着用などの感染防止策を客に求め、正当な理由なく拒んだ場合は宿泊を断れるようにする。
現行法では、宿泊客に対して感染防止対策を求める根拠はなく、原則マスクをしていないことで宿泊を拒むことはできません。
今回の改正案では、事業者は感染症の流行時に、宿泊客への感染防止対策に協力するよう要請できると明記されたのです。
求められる内容としては、マスク着用、検温、手指消毒などが想定されています。

政府は10月にも新型コロナの水際対策を大幅に緩和し、個人旅行客の入国を解禁する方針です。
海外では既にマスクを着用しない人も増えているため、事業者と外国人宿泊客の間でトラブルとなるのを防ぐため、しっかりと法で規制しようとしているようですね。
「正当な理由」とは?

それでは、この正当な理由とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
例として「障害でマスクの着用が困難な場合」と政府は示しています。
具体的には次のような場合です。
- 発達障害
- 感覚過敏
- 脳の障害
- 皮膚の病気
- 呼吸器の病気
など、さまざまな原因で、マスクを着けると肌に痛みを感じたり、気分が悪くなったり、体に異変が生じてしまう人たちです。
こうした人たちはマスクを着けたくても着けられません。
しかしそうした事情は側から見てもわからないもので厳しい視線を向ける人もいますよね。
もし、マスクをつけていない人がいても単なるわがままではなく、何か事情があるのかもと想像することが大切ですね。
「マスクをつけられません」と周囲にお知らせをする意思表示カードというものもあるそうなので、活用してみるのもいいかもしれません。
バッジタイプだと可愛いですね!
マスクを巡るトラブル事例
マスクの着用を巡っては人だけでなく海外でも様々なトラブルが起こっています。
日本「首を絞めながら投げ飛ばす…下半身不随に 」
2020年5月31日、兵庫県神戸市でマスクをつけていないことを注意した男性の首を絞めながら投げ飛ばして首の骨を折る大怪我を負わせる傷害事件がありました。
投げられた男性は下半身不随の後遺症が残っているそうです。
二人に面識はなく、マスクの着用について注意を受け腹が立って犯行に及んだようです。
ロシア「マスク未着用注意したら…背中を刺され死亡」
2020年11月19日、ロシアのサンクトペテルブルクで路線バスの車内でマスク着用を巡り乗客同士が口論となり、50歳代の男性が刃物で刺され死亡しました。
被害者の男性は、容疑者の男がマスクを着けていなかったため注意したところ口論となり、バスを降りたところで背中を刺されたということです。
そもそもなぜ刃物を所持していたのか疑問ですが、それだけで刺殺されるなんて怖すぎますね。
ブラジル「警備員が発砲…流れ弾が女性店員の首に命中し死亡」
2020年04月28日、ブラジル南部パラナ州クリチバのスーパーで、マスクの着用を巡って客の男ともみ合いになった警備員が銃を発砲し、流れ弾で女性店員が死亡しました。
男は入店時、マスクをしていないことを別の店員に指摘され、憤慨して殴りかかりそれを止めに入った警備員が持っていた銃を2発発砲したところ、1発が近くにいた女性店員の首に命中したようです。
パラナ州では外出時のマスク着用が義務化されていたとのこと。
当人同士ではなく第3者にまで被害が及ぶなんてやりきれません。
マスク着用「正当な理由なく」まとめ
公共の場所でマスクを着用していない人を見ると不安に思う方や嫌悪感を覚える人もいるでしょう。
しかし、さまざまな立場や事情の人がいるため、単にマスクを着用していないというだけで批判するのは違うようですね。
マスクの着用については人によって考え方が違うのも事実です。
欧米ではマスク着用義務が撤廃されるなど脱マスクが進みつつありますが、もちろん中にはマスクは義務化してほしいという声もあります。
そんな中日本では、マスク着用を正当な理由なく拒んだ場合、宿泊を拒否できる「旅館業法改正案」が国会へ提出される予定です。
正当な理由とは、
- 発達障害
- 感覚過敏
- 脳の障害
- 皮膚の病気
- 呼吸器の病気
など、さまざまな原因で、マスクを着けると肌に痛みを感じたり、気分が悪くなったり、体に異変が生じてしまう恐れがあることです。
もちろん単に嫌いだから着けたくないと思っている人もいるでしょうが、マスクをつけていない人をみたら、何か理由があるのかもしれないなと想像することはトラブルを避ける上で大切なことかもしれませんね。